森友学園、加計学園、そして自衛隊海外派遣の日報-。安倍晋三政権に痛撃を与えている3つの問題は「文書管理」の在り方が関係する。関係する役所の官僚を呼びつけては「資料を出せ」「関係者を処分しろ」などと糾弾する野党の会合も日常茶飯事となった。罰則などの規制強化の声もある。 しかし、霞が関では「罰を受けないため、最初から『なかった』『会わなかった』ことにして文書を作らなきゃいい」という論理が持ち出されている。歴史資料となる公文書をいかに正確に作成し、保存する仕組みを作るか、という視点から見直しを追求しないと、日本の公文書制度はますますいびつなものになりかねない。 ところで、ある事務次官級経験者が興味深いことを語ってくれた。 「公文書に関する認識と対応が、日本は外国と逆になったことが問題の原点ではないか」 外国では、まず公文書の定義や作成、保存について基準やルールを決める。公開についてのルールはその