「イマドキの若者は」という若者バッシングはいつの時代もあった。しかし、「少年犯罪は急増/凶悪化/低年齢化している」「インターネット/ケータイ/ゲームが若者をダメにした」「ニート/大卒フリーター問題を見ても、若者は就労意欲が低い」等々どれを取っても、若者のこころの弱さ、未熟さを憂う昨今のそれは、あまりに極端だ。 メディアを席巻するそうした言説を、「何を根拠に?」と眉ツバで聞いていた人もいるに違いない。 もちろん、「若者論」への反証がなかったわけではない。阿部真大『搾取される若者たち』雨宮処凛『生きさせろ!』赤木智弘『若者を見殺しにする国』などは、当節の若者特有のメンタリティーや、格差問題が経済構造の問題であることを説明してくれていた。 とはいえ、それでイマドキの若者への違和がすべて氷解したわけではなかった。 そこに登場したのが本書である。根拠が曖昧だったり、論理的破綻がある若者論を「俗流若者
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