中国でときどきものすごく内装に凝った書店が話題になる。中国でも日本でも書籍販売は真っ先にECの影響を受けた。さらに言えば中国ではもともと人々が本をそれほど買わず、街の書店といえば蔵書数は多いが地味で客もまばらな新華書店しかなかった。その環境に煌びやかな書店を新たに展開するのである。このような条件を考えるととても書店運営は儲かりそうにないが、チェーン店の西西弗は儲けている。どのような仕組みなのか紹介しよう。 西西弗(SISYPHE)という書店チェーンがある。上海や深センはもちろん、中国全土の都市の目立ったモールにはよくテナントとして入っているので、中国全土の省都クラスの住民には知られている書店だ。筆者は以前雲南省の昆明に在住していたが、昆明の近所のモールにも西西弗があった。店舗数は340店余りで、会員登録者数は約500万人だ。資金調達は一度もなく、これまでの資金調達の相談は数多くあったものの