厚生労働省が6日発表した2017年度の労災補償状況によると、仕事が原因でうつ病などの精神障害を発症し、労災認定を受けた人は前年度比8人増の506人と、過去最多を更新した。 500人の大台を超えたのは初めて。このうち自殺・自殺未遂は14人増の98人で、14年度の99人に次ぐ高水準だった。 精神障害の要因は長時間労働など「仕事の量・質」が5人増の154人。パワハラを中心とする「対人関係」は12人増の112人と増加傾向が目立ち、厚労省は「対策が必要な状況にある」(職業病認定対策室)としている。 1カ月平均の残業時間は、100時間以上が151人。うち160時間以上は49人だった。今国会で成立した働き方改革関連法では、残業時間に月100時間未満などの上限を設けている。 業種別では製造が87人、医療・福祉が82人、卸売り・小売りが65人、運輸・郵便が62人など、人手不足で勤務時間が長い業種が目立った。