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セルクマに関するconsigliereのブックマーク (144)

  • 『漢辞海』第四版が掲げる「日葡辞書の読み」の注意点 - Cask Strength

    全訳漢辞海 第四版 作者: 戸川芳郎,佐藤進,濱口富士雄出版社/メーカー: 三省堂発売日: 2016/10/26メディア: 単行この商品を含むブログ (2件) を見る [改訂の重点の]第三点は漢字熟語の音読みに『日葡辞書』の読みを加えたことである。我が国中世の作品『平家物語』『徒然草』などでは、上洛をショウラク、中秋をチュウジュウと読む。そういう読み方は従来の漢和辞典には記載が無く、十六世紀の『日葡辞書』のみが役に立つ。辞典の熟語で普通の読みと異なる『日葡辞書』の読みがあればそれを書き加えた。 (第四版の序、3頁) 当たり前のことですけれども、こういうものが出てきたら『日葡辞書』を実際に引いてみてくださいね!以下述べるように、『漢辞海』だけでは誤解しかねないところもありますし。そういう意味では、『漢辞海』が『日葡辞書』を手にとるきっかけを作ってくれるわけですね。なかなかいい話。邦訳日葡

    『漢辞海』第四版が掲げる「日葡辞書の読み」の注意点 - Cask Strength
    consigliere
    consigliere 2021/03/19
    日葡辞書といえば、この記事で言ったことが甚だしく誤っていませんように
  • 地形考証の厄介さ - Cask Strength

    悠久の時の流れは大地の姿を大きく変貌させる(その辺りのことは日下雅義氏『地形からみた歴史』(講談社学術文庫)等々、概説書も多い)。まさに「桑田変じて海となる」(劉希夷「代悲白頭翁」)で、今目にしている風景が何百年、何千年も変わらないままだというのはあり得ないことです。 それを頭のなかでは理解していても、たとえば目の前にある/ない山や島がほんの少し前までなかった/あった可能性を考慮して考証するというのは、感覚的になかなか困難です。 まあでも今ならCGで処理できるよね、きっと!次回以降に期待。 中国文学者の筧文生氏も面白い告白をなさっていました。 地図では、失敗したことが何度もある。その最初は、中国詩人選集二集『梅堯臣』(一九六二・八 岩波書店)に付した「梅堯臣略図」である。中学か高校の社会科の地図の中国の部分に、パラフィン紙を当てて、上からなぞったものに、梅堯臣に関係する地名を適当に書きこん

    地形考証の厄介さ - Cask Strength
  • 硯 - Cask Strength

    端州石硯人間重 ――「端州の石硯は人間に重んぜらる」(劉禹錫「唐秀才贈端州紫石硯以詩答之」) 宝の持ち腐れなれど・・・orz 大切に扱い、これから真面目に書道を勉強します。 ちなみに彫刻されているのは三匹の羊。つまり、中国の典型的な吉祥図様「三陽開泰」(三陽交泰)です*1。タイミング的には偶然ですが、春節のこの時期にもふさわしい。 文人趣味に一歩足を踏み入れたわけですが(形から入るタイプ)、今度はこれに合う硯屏がほしいなぁ。 *1:「羊」と「陽」は同音

    硯 - Cask Strength
    consigliere
    consigliere 2021/01/06
    実は端渓硯は一個持っている。
  • 『増補 求道と悦楽』 - Cask Strength

    私の愛読書が増補・文庫化されました。一押しのです。 増補 求道と悦楽――中国の禅と詩 (岩波現代文庫) 作者: 入矢義高出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2012/01/18メディア: 文庫 クリック: 3回この商品を含むブログ (4件) を見る 実践としての禅に関心のある方は、まずは書の「禅と文学」「雨垂れの音」「臨済録雑感」や『空花集』所収「明と暗」「南泉斬私解」辺りをお読みになると得るところが多いと思いますが(特に緊迫感溢れる「南泉斬私解」は必読)、やはり、入矢氏の面目は博覧の上に立っての、テクストの表現と向き合う際の真摯な態度にあることをこのたび改めて痛感しました。私は一生かけても広く深くという「博覧」のレベルに達する見込みがないので、せめて、「氏にとっての読書は、たえざる自己との対話、古人の言葉を通して自己を検証するという、きわめて求心的な姿勢であったようだ」(解説3

    『増補 求道と悦楽』 - Cask Strength
  • 「日本書記」はまとめて直したほうがいい、と、その他注意喚起 - Cask Strength

    今までも何度もちょこちょこと注意喚起してきましたが、ウェブ上で検索できる文献目録の弱みというのは、最初のデータ入力が間違っていたらその論文や著作は検出できなくなるということです。せっかくの学問リソースが手に入らないわけですから、これによる損失は計り知れない。 「楊雄」とか*1 *2 「随書」とか「元享釈書」等々多くの物を見てきましたが、とにかく非常に多いのは、「日書記」です。 (クリックで拡大)画像はCiNiiのものですが、日文学のプロであるはずの国文研のデータベースでも誤りが多いので、この際一気に直した方が良いのではないかと思います。もちろん、多くの人は自衛策として「日書紀」「日書記」の両方でチェックしているはずなのですが・・・。 (余談ですが、「日記」の場合は誤りでないこともあるので、注意してください。参考: CiNii 論文 -  翻刻 名古屋市蓬左文庫蔵「幸若音曲」(六

    「日本書記」はまとめて直したほうがいい、と、その他注意喚起 - Cask Strength
  • ムクドリの巣 - Cask Strength

    最近、早朝に寝室の外でガサゴソする音がうるさく、カラスか野良かなぁ、なんだろう、と気になっていたのですが、今朝、雨戸の戸袋を開けた時にすぐ近くにいたムクドリが飛び去っていった後、戸袋の中を見て少しびっくり。 (この写真ではわかりづらいでしょうけれど)小枝のようなものが数入っている。 検索の結果(http://homepage3.nifty.com/harakicindexotolith/dexmukudori.html)、どうやらムクドリが巣を作ろうとしているようなのです! ムクドリが営巣に選ぶ戸袋は、戸袋の引き手用の孔が、必ず電線から見える方向の場所のものにしか営巣しないことが判った。これは巣立ちの際、親鳥が雛に巣立ちを促すため、声と姿が至近距離で、かつ直視できる必要があるためと推測される。 http://homepage3.nifty.com/harakicindexotolith

    ムクドリの巣 - Cask Strength
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    consigliere 2020/04/29
    これ以来、毎年この時期に悩まされる。庭で営巣するのはいいけれども、寝室の戸袋だけはやめてもらいたい・・・
  • 「下紐につけたる草は名のみして・・・」の、下紐につけた草の正体 - Cask Strength

    下紐につけたる草は名のみして心に離れぬ人の面影 (『為相卿百首』、下紐につけた草は名ばかりで、私の心から離れない人の面影よ) この「下紐につけたる草」とは何か、答えよ。(配点10点) こういうのは、大学4年生とか大学院修士課程に入ったばかりの院生に対してちょうどいい課題になるのではないかと思うのですよね。直接的に草花や木の名前を新編国歌大観で検索して見つける、というわけにはいきませんからね。 もちろん、勘の良い子は「下紐」とか下句をヒントにして答えを出すのですが、その一工夫ができるかどうか。また、たとえば、辞典の項目とかを書くときや用例を挙げるときに、こういう明示的でない例を出せるかどうか。実力が問われます。 もっとも、為相卿百首は今や新編日古典文学全集『中世和歌集』に収録されているので、当に簡単に答えは出てしまうのですが・・・

    「下紐につけたる草は名のみして・・・」の、下紐につけた草の正体 - Cask Strength
  • 出典論 - Cask Strength

    書I-I 「積善之家厥福惟昌」 明治10年(1877) 狩野は11歳11ヶ月の明治10年5月9日に第一番小学校下等第2級を卒業し、学業優等につき書籍を授与されているので、2月か3月の習字作品。この句は「積悪之門必有余殃」と対句。出典は『芸文類聚』巻23人部7鍳誡。 (「教育者・蒐集家・鑑定人 狩野亨吉 生誕150周年記念展」展示目録、30頁) 楷書と行書による習字作品でしたが、小学生の手とはとても思えない端正な字でした・・・オレもあれくらい上手だったら・・・ それはさておき、「出典は『芸文類聚』巻23人部7鍳誡」の一文が、文学教育に携わる者としては気になります。 出典を挙げる、という場合には二様の考え方がありまして、 1 大元(原典)の資料を指摘する 2 実際に依拠した資料を指摘する ということになるわけですが、目録の出典表示はそのどちらの側から見ても問題がありそうです。 まず1の側から

    出典論 - Cask Strength
  • 瑞龍遺跡出土の「国字刻んだ土器」の文様 - Cask Strength

    【茨城新聞】国字刻んだ土器出土 常陸太田・瑞龍遺跡 県教育財団は19日、常陸太田市瑞龍町の瑞龍遺跡の発掘調査で、平安時代の竪穴建物跡から、男女の交合を意味する国字「〓(ひるくながひ)」がヘラで刻まれた土器の底面が出土したと発表した。国字は漢字にならって日で作られた文字。同財団によると、この国字が刻まれた土器の出土は県内で初めて。(中略) 同財団によると「〓(ひるくながひ)」は、12世紀に書かれた藤原忠実の日記にも見られ、研究家の間では隠語として知られている。国字は奈良時代ごろから使われているという。「〓(ひるくながひ)」と刻まれた意味合いや、土器の用途などは不明だが、同財団は「今回見つかった破片は忠実の日記より200年も前のもので、国字の出現を考える上でも貴重な発見。また、この地域に有力者がいたと推測できる」と話す。 http://ibarakinews.jp/news/news.php

    瑞龍遺跡出土の「国字刻んだ土器」の文様 - Cask Strength
  • 『老子王弼注索引』 - Cask Strength

    棚からひょっこり出てきました。何年も手にとってなかったので、すっかり忘れていた名著。 CiNii 図書 - 老子王弼注索引 『老子』文ではなくて、王弼注の文の索引です。当時、類書はなかった。 今では電子テクストもいろいろと揃っていて『老子』注文の検索も容易になりましたが、「索引は一種類あれば十分」みたいな顔をしている人のことを私は白眼視しています。索引は、底が違えば、何種類でもあったほうがいい。 まあ、かく言う私が書のことを忘却していたので、自戒の念を強く抱いているところですけど! 底は『老子道徳真経』二巻 魏王弼注 唐陸徳明音義 宇佐美恵考訂 明和七年五月江戸須原屋平助等刊を使用した。宇佐美恵の考訂については王弼注に関するものに限り、一覧表にして文末に掲載した。しかし、索引の文字の検索についてはこれを考慮に入れなかった。 (凡例)宇佐美恵、号は灊水。徂徠の高弟です。 この明

    『老子王弼注索引』 - Cask Strength
    consigliere
    consigliere 2018/09/25
    RT先で宇佐美灊水『王注老子道徳経』が紹介されていたので
  • 草薙剣 - Cask Strength

    みなさまご存じのヤマトタケルによる東国征伐において、野火に囲まれて絶体絶命の危機に陥ったところを剣によって周囲の草を薙ぎ払って難を逃れるという有名な話があります。地名「焼津」の起源譚ともなっていますね。 この場面、多くの方はこういったイメージを抱いているはずです。 (「日武尊草を薙ぎ火を免る図」『絵入日歴史』 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1919307/9) ところが、挿絵付きの童蒙書や年代記の類を読んでいると、たまーに、こんな挿絵を見かけることがあります。 (『倭年代記 上』http://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/ri04/ri04_00923/ri04_00923_0001/ri04_00923_0001_p0024.jpg) 右に「やまとたける」、左に「えびすとも」がいて、真ん中に剣があってこれが「くさ

    草薙剣 - Cask Strength
  • 「冷たくておいしいもの」――冷凍庫でギンギンに冷やした酒 - Cask Strength

    朝方は割と涼しかったのに、気温すごく上昇しましたねorz 今週のお題「冷たくておいしいもの」(今週のお題は「冷たくておいしいもの」です - はてなダイアリー日記) よく冷えたビールももちろん夏には欠かせないですが、もし酒がお好きなら、ハードリカーの美味しい飲み方を一度お試しになってはいかが。ジンやウオッカを冷凍庫に入れておく。これだけ。簡単でしょ? (さすがにこの時間帯なのでまだ呑みませんけど、早くクイっといきたいのーw 青いボトルが涼しげな Bombay Sapphire) ジンやウオッカなどアルコール度数が40度を超えるような酒は家庭用冷凍庫の中に入れても凍りません。氷結はしないのですけど、とろみを帯びるので、グラスに注ぐ時に少し注意して見てくださいね。 ただし、ウイスキーも原理的には同じように凍らないのですが、ウイスキーは常温で飲むべきものです。

    「冷たくておいしいもの」――冷凍庫でギンギンに冷やした酒 - Cask Strength
    consigliere
    consigliere 2018/09/10
    良い子のみんなはジンやウォッカをちゃんと冷凍庫で冷やしているかな?
  • 『古事記』序文を呉音で読む(『新校 古事記』) - Cask Strength

    新校古事記 作者: 沖森卓也,佐藤信,矢嶋 泉出版社/メーカー: おうふう発売日: 2015/11/25メディア: 単行この商品を含むブログ (1件) を見る 積ん読になっていた書の序文の訓読文を読み始めて「おや?」と思いまして。「混元」(こんぐわん)「気象」(けざう)「乾坤」(かんこん)等々・・・。そうなのです、漢字の音読みを徹底して呉音で読んでいます。 序文も(文と同様に)徹底して訓読みするという試みがある一方で、漢文訓読の通例として序文は漢語を適宜音読みするということも普通におこなわれているのですが、その場合でも読みは漢音もしくは慣用に従う場合が多かったわけです。その点で書は斬新でしょう。 しかし、斬新なために「皇帝陛下」のルビが「わうたいへいげ」だと、やはり少しむずむずしますね。私が不勉強のために気になる点もあって、「化熊」を「くゑう」とするのですが、「熊」の呉音が「う」と

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  • 文章軌範と古文真宝(古文観止) - Cask Strength

    『文章軌範』所収散文は「出師表」と「帰去来辞」を除くと全て唐・宋代の作品ですから、これと前掲二書(古文真宝と古文観止 - Cask Strength)の内容を単純に比較するのはますます意味のないことなのですが、それでも重なるものはやはり多いですね。以下は『文章軌範』『古文真宝』『古文観止』に共通する作品のリストです。 陶淵明「帰去来辞」 杜牧「阿房宮賦」 蘇軾「赤壁賦」 蘇軾「後赤壁賦」 韓愈「師説」 韓愈「雑説」 韓愈「送孟東野序」 韓愈「送李愿帰盤谷序」 范仲淹「厳先生祠堂記」 范仲淹「岳陽楼記」 李覯「袁州学記」 王安石「読孟嘗君伝」 蘇軾「潮州韓文公廟碑」 柳宗元「桐葉封弟弁」 韓愈「諱弁」 諸葛亮「出師表」 韓愈「原道」

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  • 古文真宝と古文観止 - Cask Strength

    先週とある日の雑談から思い出したこともあって。 祖父が昔突然「ヨ、カノハリョウノショウジョウヲミルニ、ドウテイノイッコニアリ・・・」と朗誦を始めたときには何のことかと思いましたが(祖父は「お前こんなのも知らないのか」という顔をしていましたが)、これが「岳陽楼記」の一節であったと気付いたのはだいぶ後になってからでした。戦前の教育を受けた人にとって『古文真宝』は漢文の教科書的存在として大きな意味を持っていたのですね。 私は『古文真宝』を復権させようというつもりはあまりありません。素性のよくわからないでして、中国ではだいぶ早くに廃れました(四庫全書にも入っていません)。文も、信頼性の高い他のテクストと校合するとどうも具合の悪いところがある。一言でいえば「俗書」です。その歴史的使命は終えたと言っていいと思います。 中国では『古文真宝』の代わりによく読まれているのが清代に成立した『古文観止』です

    古文真宝と古文観止 - Cask Strength
  • 2011年、今年読んだ知的向上心をかきたてる本5冊 - Cask Strength

    去年に続き(2010年、今年読んだ知的向上心をかきたてる5冊 - Cask Strength)今年も。ただし、「棚メモ」でとりあげたは除外、という縛りは外します。でないと来年以降もキツイでしょうから。一般の人、専門外の人でも楽しめるもの・有意義なものを、そして普通の書評サイトではあまり取り上げないだろうというものを意識的に取り上げたという方針は昨年と同じ。 『読んでいないについて堂々と語る方法』 読んでいないについて堂々と語る方法 作者: ピエール・バイヤール,大浦康介出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2008/11/27メディア: 単行購入: 17人 クリック: 306回この商品を含むブログ (95件) を見る 今更ですが、読んでいなかったのでw 結局は、読んでいないを堂々と語るには、素地としてある程度の読書量と教養がないとダメだというのがミソ。当たり前ですが・・・。

    2011年、今年読んだ知的向上心をかきたてる本5冊 - Cask Strength
    consigliere
    consigliere 2018/08/25
    『故事成語の誕生と変容』で紹介されていたのをすっかり忘却していた!!
  • 不安だらけの神埼市「千字文モニュメント」 - Cask Strength

    市では、「王仁天満宮」と刻まれた石祠に着目し、5世紀の初め百済から日へ論語と千字文を伝えた、古事記や日書紀にも登場する「王仁博士」の歴史遺産(夢資源)として捉え、古代からつながる歴史のロマンを体感できる新たな観光施設として、市民とともに王仁博士顕彰公園の整備計画を推進しています。 当公園内には、王仁博士の功績を顕彰する施設として、「二儀日月」で始まる鍾繇(しょうよう)千字文のモニュメント(965文字の記念碑)を整備しますが、神埼市民はもとより、全国のみなさんにも関心をもっていただくため、一人一文字ずつの揮毫をお願いすることにしています。 http://www.city.kanzaki.saga.jp/main/7853.html 歴史的事実かどうかもわからないことを公金で顕彰していいのかどうかという不安もさることながら、その中身が「鍾繇千字文」だというのは再考を要するのではないでしょう

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  • 陵墓の位置 - Cask Strength

    細長すぎる大阪市領土と古墳カーブの謎 :: デイリーポータルZ 競馬場跡地と同様に古墳カーブもあるとは。面白い記事でした。 古墳で思い出したのですが、昨年末に読んで興味深かったのは寺村裕史氏の『景観考古学の方法と実践』です。 景観考古学の方法と実践 作者: 寺村裕史出版社/メーカー: 同成社発売日: 2014/11/05メディア: 単行この商品を含むブログ (2件) を見る 書の議論の前提となる空間データ処理についての技術的なことを完全に理解できたとは言えないのですが、とにかく結論だと申し上げると、古墳の立地と眺望の関係について、 つまり古市古墳群のように巨大な前方後円墳が多く集まった地域において、古墳が増えていくに従い、その築造場所は徐々に限定され、各古墳からの眺望(見晴らし)の点では可視範囲が狭くなる傾向があるにもかかわらず、古墳相互の視認関係は保たれ、先に築造された古墳を視認でき

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  • ルビによって引き起こされた本文の誤り - Cask Strength

    小川環樹『唐詩概説』は、まさに愛読書と呼べるでして、中国詩人選集版(1958年)・著作集版(1997年)・岩波文庫版(2005年)はそれぞれ複数回通読し、今もまた岩波文庫版を読んでいるところです。 過去の版の誤りを補正したこの岩波文庫は決定版と呼べるものなのですが、それでも新しいを作る以上、新しいミスを免れることはできません。 このたび見出したものは、単純な誤字なのですが、ルビにひかれて文の漢字を誤ったのであろう典型的な例ですね。2012年の第5刷でも訂正されていなかったので、私を含めて多くの読者が見逃してきたということになります。 第三章「盛唐」で、孟浩然「故人の荘を過る」(過故人荘)が紹介されていますが、その第六句、 (中国詩人選集、46頁) (著作集、36頁) この「話(かた)る」が、 (岩波文庫、69頁) ついこうなってしまうのも分かる気がします。次回の増刷時に訂正してくだ

    consigliere
    consigliere 2018/06/28
    この誤字は訂正されるかな?
  • 「夷」を伏せ字とする清朝の書籍 - Cask Strength

    千字文註坿清書千字文 - Google ブックス 書は尤珍書『清書千字文』を付した汪嘯尹纂輯・孫呂吉参註・蔡汪蒴較正『千字文註』の和刻で、正徳五年(一七一五年)の刊記があります。「清書」とは満洲文字のことです。 『千字文』はもっぱら李暹注系ので読んでいたので、これも一応見ておくかと思い立ち、ぱらぱらと目をあてていたのですが、面白い箇所がありました。「臣伏戎羌」の注釈です。 http://books.google.co.jp/books?id=xdEFJOd8qYMC&hl=ja&pg=PT65#v=onepage&q&f=false 注の2、3、4、6行目に空白を作って伏せ字になっています。これ、全て「夷」という字が入るべき箇所です(「四夷」「外夷」)。 初期の清刻では、異民族が建てた王朝である清朝に遠慮して、「夷」「狄」「胡」「戎」「虜」といった字を、あたかも避諱のように、空白に

    「夷」を伏せ字とする清朝の書籍 - Cask Strength
    consigliere
    consigliere 2018/06/06
    そういえばこんなことを書いていた