『時間も番組も思いのまま』、『映画も選べて何でもできる』という夢のTV、 IPTV。 企業等の修飾語はこの上なく派手で、政府の産業至上主義と絡んだマスコミの フレームアップはきらびやかなことこの上ない。人々は思うだろう。『いつも 似たような商品紹介、くそったれ売り飛ばす戦略』だと。 明らかに、いつものうんざりするような消費促進の過程であることに間違いな い。しかしIPTVは、これまでのいくつかの製品と違って、適当に売って終わる イベントとして扱うことができない何かが存在する。そのもの自体にも文化、 メディアの消費パターンを変更する余地があるばかりか、大衆の暮しに直接影 響するほどの資本化の過程に移転、広がる可能性はとても高い。 したがって、現時点でのIPTVに対する分析を通して、メディア融合状況を眺望 する作業は、今後変化していくメディアと生活文化の地形を把握することに 意味があると思う。