<前編はこちら> YouTubeの存在感が極めて大きい日本 まつもと 先ほどのお話にも出てきたように、YouTube単体で見たときの、日本と世界での展開のされ方、それに伴う利用のされ方がかなり異なっている、と。たとえばプレミアムの位置づけですよね。そこも整理しておいたほうが良さそうです。 西田 そうですね。いわゆるプレミア配信、たとえばアニメ会社でもいいし映画会社でもいいんですけど、公式のコンテンツをある一定期間公開する、みたいなかたちをたくさん使っているという意味では、アメリカよりも日本のほうが多い印象はあります。 さらには、YouTubeの中で成立するキャラクターとしてVTuberみたいなものを作って、それを大きな収益の柱にしていくビジネスという意味合いにおいて言えば日本のほうが進んでいます。 特にアメリカの場合、VTuberのようなキャラクターを作るよりも、自身をインフルエンサーとし
<後編はこちら> サブスクの選別が始まった 2022年に開催された日本アニメーション学会 産業研究部会主催のイベント「Z世代の動画視聴――配信と倍速再生の実際」から、「ITジャーナリスト西田宗千佳×まつもとあつし対談」を前後編でお届けします。 三省堂が選んだ「今年の新語2022」にて『タイパ(タイムパフォーマンス)』が大賞を獲り、早送りで動画を見る若者の存在がクローズアップされる昨今、ユーザーの動画視聴行動にはどのような変化が起こっているのでしょうか? ◆ まつもと はじめに西田宗千佳さんから「『レイヤー構造』で考察し直す動画視聴行動」というお話をいただき、その後ディスカッションに入りたいと思います。 西田 よろしくお願いします。まず、私のほうから簡単な講演をさせていただきたいと思います。 本題に入る前にみなさんと目線合わせのようなことをしておきたいな、というのが1つの目的です。目線を合わ
デジタルメディアに関する市場調査企業のNielsenが「アメリカの視聴者がテレビで何を見ているか」に関する調査結果を発表しました。この調査によって、テレビを見る時間のうち26%はYouTubeなどのストリーミングサービスに費やされていることが明らかになっています。 Nielsen: Streaming makes up only 26% of time spent in front of TV https://www.cnbc.com/2021/06/17/nielsen-streaming-makes-up-only-26percent-of-time-spent-in-front-of-tv.html The Gauge Shows Streaming is Taking a Seat at the Table – Nielsen https://www.nielsen.com/us/
現在のニュース見だしはFacebookが大半を押さえているかもしれないが、ソーシャルプラットフォームの外側に存在するストリーミング動画ビジネス、すなわちOTT(オーバーザトップ)ビジネスも重要性が増してきている。市場の成熟が進み競争が激化した2016年に判明した、ストリーミング動画ビジネスの重要動向を5つ紹介。 現在、ニュース見だしは、Facebookが大半を押さえているかもしれないが、ソーシャルプラットフォームの外側に存在するストリーミング動画ビジネス、すなわちOTT(オーバーザトップ)ビジネスも重要性が増してきた。大手や小規模な配信業者が増え、コンテンツと選択肢は市場にあふれている。 これは消費者にとって、素晴らしいことであるのは間違いない。しかし、消費者の注目とサブスクリプション料を争っている業界各社からすると、信じられないくらい不安定な時代だ。この記事では、市場の成熟が進み、競争が
この5年間、AOL、米ヤフー、コンデナスト、タイム社などの大手メディア企業やいくつかの小規模なスタートアップが、コンテンツを選りすぐって視聴者に提供する動画サービスを立ち上げてきた。しかし、そのようなコンテンツを観たい視聴者は、ソーシャルメディアを頼るようになっており、すでに彼らが有利な立場を築いている。 FacebookとNetflixのあいだのどこかに存在すると言われる伝説の「見えざるピンクのユニコーン」。それは、質の高い最良の短編ウェブ動画コンテンツを提供するストリーミング動画プラットフォームのことだ。 これは新しい考え方ではない。この5年間、AOL、米ヤフー、コンデナスト、タイム社などの大手メディア企業やいくつかの小規模な動画スタートアップが、ウェブコンテンツを選りすぐって視聴者に提供するストリーミングプラットフォームを立ち上げてきた。 ベライゾンのゴー90(Go90)、コムキャス
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