東京電力福島第1原発事故による汚染廃棄物を保管する中間貯蔵施設をめぐり、環境省が27日に大熊、楢葉両町の、それぞれ5カ所に配置することを唐突に示した基本方針は、両町の住民らに波紋を広げた。施設の設置が現実味を帯びる状況となり、調査候補地周辺の住民は今後の成り行きを心配した。一方、伊沢史朗町長が事前調査の受け入れを正式表明した双葉町の住民も心中は複雑だ。 会津若松市の仮設住宅に暮らす大熊町の秋本正夫さん(73)は「町のどこに建設するのか分からないが、5カ所でも6カ所でも造ってしまえば同じ」と冷ややかに受け止めた。 秋本さんの自宅は同町小入野にあり、周辺地区に環境省の事前調査が入ったような話も耳にした。「調査と建設は別というが、調査するということは建設を決めている。中間貯蔵というが、その後の最終処分を受け入れる場所があるだろうか」と危惧した。一方で「できれば造ってほしくないのが本音」と打ち