名古屋城天守台石垣の発掘調査について、文化庁が名古屋市に現状変更を許可したことが分かった。許可は15日付。調査は2022年末の完成を目指す天守木造化の前提で、市は10月から天守台周辺の空堀を掘るなどし、4カ月かけて地盤の状況を調べる予定だ。 文化庁によると、15日の文化審議会文化財分科会で協議し、許可が決まった。調査の目的は、経年劣化や戦災で傷んだ天守台石垣の保全や、天守木造化に先立ち天守台の安定性を評価すること。市は天守台周辺の空堀を中心に14カ所を試掘し、10カ所で深さ10~30メートルのボーリングをする。 名古屋城は国特別史跡のため、調査には文化庁の許可が必要とされる。市は7月に申請しようとしたが、同庁に書類の不備を指摘され、8月29日に申請した。(関謙次)