刀剣がイケメンに、軍艦が美少女に……。コンテンツの世界では「擬人化」がもはや世界標準になりつつある。そしてこのたび、中央大学・岡嶋裕史准教授は、「IT技術を擬人化」したキャラクターで技術解説書を上梓した。Webコンテンツを中心に多国語展開も実施するという。 そこで岡嶋氏みずから、「なぜ学習書で擬人化キャラを採用したのか」「どうして多国語展開するのか」について特別寄稿。これで「擬人化」のイロハもわかる! 擬人化の系譜 擬人化のルーツはとんでもなく古い……が、ここで取り上げるのはギリシア文学などではなく、萌えっとした擬人化の話題である。 現時点で「萌えっとした擬人化(以下、「擬人化」)」と言えば、まず『艦隊これくしょん』(旧帝国海軍艦艇の擬人化)を想起するが、これにもそれなりの歴史がある。 少なくとも筆者が物心ついた1970年代後半には、コミケと密接に結びつく形で擬人化市場が形成されていた。