11年以上に及ぶこの「極言暴論」の連載で、私が一貫して主張してきたことがある。最近はあえてあまり書かないようにしていたが、「オールドファン」なら当然ご存じだろう。世界に類を見ない労働集約型の人月商売を、日本のIT業界から撲滅することだ。百歩譲ったとしても、付加価値がまるでない人月商売が日本のIT業界の主役だというばかげた状態に、一刻も早くピリオドを打たねばならぬ。そんな「志」を掲げて執筆を始めたのがこの極言暴論で、その思いは今も持ち続けている。 ただねぇ、日本のIT業界を人月商売に堕落させた責任の多くは、仕事を依頼する客側にある。何せパッケージソフトウエアやクラウドサービスなどをあまり活用せず、古くさい自社のビジネスモデルや業務プロセスなどを反映した「自前」のシステムにこだわり続けてきたからだ。しかも自前のシステムのはずなのに、客のIT部門は自らつくれない。そんな「お客様の事情」を前提に、