オンライン調査協力者は質問を読まない? 三浦麻子・小林哲郎 (2015). オンライン調査モニタのSatisficeに関する実験的研究 社会心理学研究 第31巻第1号 オンライン調査会社のモニタの過半数は、教示を読まずに回答している ・・・なんと衝撃的な報告であろうか! インターネット上で調査に回答している様子を思い浮かべてほしい。 回答を進めていくと、ある1ページがあらわれる。 「以下の質問には回答せずに(つまり、どの選択肢もクリックせずに)、次のページに進んでください。」という教示が表示され、その下には選択形式の質問が3つ並んでいる。 調査協力者がもし教示をきちんと読んでいれば、これらの質問に対して回答を選択せずに、次のページへ進むはずだ。 しかし、もし教示文を読んでいなかったら? ページ後半の質問から読み始めて、そこで何らかの回答を選択することだろう。 つまりこの設問は、「教示を読ん
本ブックマークでは、近年のベイズ派の成果を中心に、人工知能の研究に役立ちそうな、計算論的認知科学の情報へのポインタを提供したい。 計算論的認知科学は認知の在り方を、計算方法やリソース制約を考慮したモデリング、シミュレーション、そして実験によって明らかにしようとする。この分野ではベイズ派を中心に、 Marr の三レベル(計算論、アルゴリズム、実装)で言う計算論的モデリング、すなわち「何を計算するか/すべきか」の研究に主なフォーカスがあり、これは計算論的神経科学や認知神経科学において「いかに計算されるか」を扱うアルゴリズムレベルの研究が盛んであるのと相補的であると言える。 知能の研究が認知や脳の研究に学ぶ必要性については議論の余地がある。人工の鳥よりも飛行機を作る方が有用な側面はかなり多く、知的システムが人間の認知や脳の制約を持つ必要はない。しかし他方で、たとえばディープラーニングの始祖である
(CNN) 会議中、つい洗濯物のことを考えてしまって上司の言葉が耳に入らない。書類を読んでいる間、気がつけば何分も同じ文章を眺めていた――。近年の研究で、こうした思考のさまよい、認知科学で「マインドワンダリング」と呼ばれる現象の重要性が指摘されている。 まず、普段の私たちの意識が思いのほか長い間、マインドワンダリング状態にあることがわかってきた。米ニューヨーク大学の非常勤准教授で心理学が専門のスコット・バリー・カウフマン氏は、「日常的な認知の50%は、自然発生的な認知、つまり白昼夢やマインドワンダリングによって占められている」という。 マインドワンダリングは、意識が心ここにあらずの状態になり、目の前の作業とは無関係なことを考え始めてしまうことで生じる。このため従来、マインドワンダリングは、認知の上で無駄な時間であるとか、自分の心理をコントロールする力の欠如として、否定的に捉えられてきた。こ
Nature Japan Information Gateway プレスリリース 日本の科学研究はこの10年間で失速していて、科学界のエリートとしての地位が脅かされていることが、Nature Index 2017日本版から明らかに 日本の科学研究はこの10年間で失速していて、科学界のエリートとしての地位が脅かされていることが、Nature Index 2017日本版から明らかに 2017年3月22日 Nature Indexによると、日本の科学成果発表の水準は低下しており、ここ10年間で他の科学先進国に後れを取っていることが明らかになりました。政府主導の新たな取り組みによって、この低下傾向を逆転させることができなければ、科学の世界におけるエリートとしての座を追われることになりかねません。 Nature Indexに収録されている高品質な科学論文に占める日本からの論文の割合は、2012年から
▶平日 毎朝7時に公式LINE@で新着記事を配信しています。友達申請はこちらから! ▶ICCの動画コンテンツも充実! Youtubeチャネルの登録はこちらから! 2016年に配信した、AI(人工知能)に関する議論を総特集いたします。今回は、ICCカンファレンス KYOTO 2016から、「AIや技術の進化によって人間はどのように再定義されるのか?」を再編集して3回シリーズでお届けします。AI特集(その9)は、ヤフーCSO安宅さんにAIの正しい理解についてお話し頂きました。ぜひご覧ください。 ICCカンファレンスは新産業のトップリーダー160名以上が登壇する日本最大級のイノベーション・カンファレンスです。次回 ICCカンファレンス KYOTO 2017は2017年9月5〜7日 京都市での開催を予定しております。 ▼ 登壇者情報 2016年9月6日・7日開催 ICCカンファレンス KYOTO
今日の横浜北部はまたしても晴れてますが、とにかく寒くてびっくりでした。朝の寒さが強烈です。 さて、先週の放送でもとりあげた、ロバート・カプランの意見記事の要約です。 ちょっと長いですが、「地政学」という意味ではとても参考になるものです。 === トランプはなぜ米国を世界から撤退させられないのか by ロバート・カプラン アメリカはどれほど世界に関与すべきかという問題は、われわれの歴史においても常に議論の的となってきた。たとえば1821年には、ジョン・クインシー・アダムスは、海外に出かけて行って「怪物を探して倒す」ようなことをすべきでないと忠告している。 ところが彼の想像をはるかに越えたレベルで世界が相互接続されている現代の世界では、われわれは彼の忠告の真逆のことを行わざるを得ないし、ときにはそれを行いたいという魅力にとりつかれる。その結果が、バルカン半島やアフガニスタン、イラク、シリアであ
サブカル、ときどき政治。Subculture+(サブカルチャー・プラス)は、映画、読書、PCゲーム、ウェブ・カルチャーなどを主な題材に、要注目の新作・日本未公開作情報から、海外記事の紹介、レビュー・考察まで、娯楽と思索を横断する記事をお届けします。 「僕は、この狂った世界のなかでようやく偽りのないものを見つけたと思っていた。だけど、いまになって、すべては嘘だった、と理解したわけだ」僕が厳かに認めた。 「すべてではないよ」と、ユニコーンが僕を安心させる。「嘘なのは、君の保守派の友人がソーシャル・メディアに投稿するイカれた陰謀論だけさ」 (Chuck Tingle, Fake News, Real Boners) 紹介するのは、アメリカの左翼雑誌Jacobinの記事「ポスト真実という誤謬」(Rune Møller Stahl & Bue Rübner Hansen, "The Fallacy
このブログ記事が元となった書籍『「ポスト真実」の時代 「信じたいウソ」が「事実」に勝る世界をどう生き抜くか』を、祥伝社から刊行します。「ポスト真実」についてより詳しく知りたい方は、こちらもご覧下さい。 今月16日、オックスフォード辞書が、「今年の言葉」に「post-truth」を選びました。日本では「ポスト真実」と訳されることが多いようです。この言葉について、今日J-Wave のJam the World という番組で津田大介さんとお話をすることになりました。この言葉については前回の記事 どうして嘘つきがまかり通るのか――「ポスト事実の政治 post-truth politics」の時代にどう向き合うか - 日比嘉高研究室 でも書いていますが、その後考えたことを加えて、もう少しまとめておきます。 キーワードは、「デマ」「本音」「感情」です。 「post-truth ポスト真実」とは何か コ
Negicco Live (2016年8月) 0:55 矛盾、はじめました。 4:42 RELISH 9:54 サンシャイン日本海 15:10 トリプル!WONDERLAND 18:46 ねぇバーディア 24:57 Falling Stars
2015年、米科学雑誌のサイエンスに「過去の心理学の論文の追試をしたところ、結果を統計的に再現できたものが40%に満たない」という衝撃的な論文が掲載され、学会だけでなく広く社会に衝撃をもたらした。実際に心理学界において研究不正が散見されているのを受け、京都大学霊長類研究所の友永雅己教授、関西学院大学文学部の三浦麻子教授らは、心理学評論刊行会の「心理学評論」誌で特集号「心理学の再現可能性」を発行、研究不正に対するさまざまな論考を掲載した。 研究不正問題に対する現状認識と展望について、研究者が意見を交換するとともに、学会内の自助努力について知ってもらおうと、友永教授らは出版を計画。「(研究不正を防ぐため)ある程度の制度改革が必要になるかもしれない。特集号の出版を制度改革も含めた積極的な行動を起こすきっかけとしたい」とのコメントを発表した。 参考:【心理学評論】第59巻第1号「心理学の再現可能性
このサイトでは,標記『心理学評論』特集号の公刊に伴って,掲載論文PDFを,編集委員会と著者の了解のもとで,担当編集委員の責任において,刊行時(2016年7月)から私的に公開していました。2018年4月13日に当該号がJ-STAGEで公開されたことに伴い,各論文PDF閲覧のリンク先をそちらに変更しました。 巻頭言・原著論文(9本)・コメント論文(7本) プレスリリース 京都大学 / スライド資料 / English 全論文一括ダウンロード(25MB, Zip File) 2015年,Scienceに衝撃的な論文が掲載された(Open Science Collaboration, 2015)。その内容は,過去の心理学の研究論文について追試を行った結果,結果が統計的に再現されたものは追試実験全体のうちの40%に満たないというものであった。また,2015年の年頭に出たBasic and Appl
え、チョムスキーってこんなことになってんの、というのが面白かったので、例によって勝手に翻訳して紹介。ぼくはおもしろいと思うんだけれど、昔朝日新聞にチョムスキー本の書評をのせたら、finalventがなにやら山形はまるっきりわかっていないと言いたげな、でも何もはっきりと言わない役に立たない批判めいたものを書いたので、実はぼくはチョムスキーの言っていることを全然わかっておらず、したがって以下の文も実は「わかってる」ひとにはあまり面白くないorピント外れなものなのかもしれないので、その点はご注意を。 ノーム・チョムスキー:世界で最も高名な言語学者の理論はいささか奇妙なものになってきた。 The Economist, 2016 3/26-4/1号 p.77 www.economist.com 特定の人物と、これほど強く関連づけられている学問分野はほとんどない。物理学のアインシュタイン、心理学のフロ
2013年08月09日 13:32 社会的な心 この夏に読むべき2冊の本を紹介します。両方とも社会的な心や脳の発達に関する書です。 一冊は、ロンドン大学千住博士の『社会脳とは何か』。千住博士の『社会脳の発達』は以前このブログでも紹介しました。その本もわかりやすい内容でしたが、今度は新書で一般の方にもよりわかりやすい内容で書かれています また、千住博士自身の経験を基に、研究者としての在り方やキャリア形成に関する話もかかれています。これらから研究者を目指す人、大学院生などには必読の書だと思います。 もう一冊は、現在の心理学においても最もインパクトのある研究をしている研究者の一人であるマイケルトマセロ博士の『ヒトはなぜ協力するのか』。前著『心と言葉の起源を探る』以降トマセロの研究がどのように進んだのかを知るためには必読の書です。子どもの協力行動は教育や学習の産物ではなく、むしろ生まれながらにして
国家はなぜ衰退するのか(上):権力・繁栄・貧困の起源 作者: ダロンアセモグル,ジェイムズ A ロビンソン,稲葉振一郎(解説),鬼澤忍出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2013/06/21メディア: 単行本この商品を含むブログ (31件) を見る国家はなぜ衰退するのか(下):権力・繁栄・貧困の起源 作者: ダロンアセモグル,ジェイムズ A ロビンソン,稲葉振一郎(解説),鬼澤忍出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2013/06/24メディア: 単行本この商品を含むブログ (21件) を見る 本書は政治経済学者のダロン・アセモグルとジェイムズ・ロビンソンによる,彼らの10年以上にわたるリサーチブログラムの成果を一般向けに書き下ろした「Why Nations Fail: The Origins of Power, Prosperity, and Poverty」(2012)の邦訳だ. 基
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