欧米では、動態保存されている昔の軍用機が有料のエアショーで飛行し、観客の目を楽しませていますが、日本には動態保存されている例がありません。なぜ、日本では零戦など昔の飛行機が、エアショーで飛んだりしないのでしょうか。 復元零戦の前に立ち塞がった登録制度の複雑さ 2017年、残骸を元に復元された零式艦上戦闘機(いわゆる零戦)二二型を日本の実業家が海外で取得し、日本で「JA」から始まる登録記号での航空機登録を目指しました。維持費などをまかなうためクラウドファンディングも実施し、各地で飛行する姿を見せてくれましたが、最終的に日本での登録を断念し、再び海外へ流出してしまっています。 この取り組みが頓挫した背景には、日本における「航空機登録制度」の壁が立ちはだかっていました。結論から言うと、現行制度上では復元されたビンテージ航空機が「JA」で始まる登録記号を得ることは、ほぼ不可能なのです。 拡大画像