オオヤミノルさんが『美味しいコーヒーって何だ?』(マガジンハウス:刊 2013)に続いて、またコーヒー本を出したよね。『珈琲の建設』(誠光社:刊 2017)ってやつ。この本でオオヤさんはまたコーヒーを「殺す飲み物」って呼んでいるんだけど、そう言われるたびに不審に思って受け入れられないんだよね、やめたほうがいいよって。どうかすると、コーヒーじゃなくてオオヤさんの方を殺したくなるんだよね。いや、これは発言する者を挑発し、苛立たせる、堂々巡りの「反=反=珈琲入門」として語るんだけどね。 第一考 ── コーヒー屋の一人称の変遷について 『珈琲の建設』のあとがきで堀部篤史さんが《オオヤさんの話はわかりにくくて面倒くさいという人は少なくない》(p.94)って言っているけど、確かにわかりにくいんだよね。例えば、オオヤさんの一人称が「オレ」だったり「俺」だったり「僕」だったり「ぼく」だったりする。こういう