あいちトリエンナーレ「表現の不自由展」への電凸からの展示中止、出演俳優の不祥事での自粛による放送中止や上映中止、映画『宮本から君へ』への助成金取り消し問題、しんゆり映画祭における映画『主戦場』上映問題、竹田恒泰氏の富山での講演会が脅迫で中止になるなど、様々な分野にまたがって表現活動の萎縮を招くような出来事が起こり、その度に大きな議論が巻き起こった。2019年は今後の日本の文化・創作活動にとって重要な意味を持つ1年であったのかもしれない。
上映中止に追い込んだ「自覚なき検閲」 上映中止から一転上映へ。KAWASAKIしんゆり映画祭の舞台裏で起きたこと 石川智也 朝日新聞記者 「英断」とは評せない舞台裏 KAWASAKIしんゆり映画祭で、川崎市の「懸念」からいったん上映中止が決まった『主戦場』が、一転して最終日の11月4日に上映されることとなった。 ひとまずは朗報である。しかし諸手を挙げて喜べる話では、到底ない。 あいちトリエンナーレ問題と同様、一連の経緯は、幾つもの疑問と課題と禍根を残したままだ。 関係者によれば、方針再転換の舞台裏は、英断とはとても評せないものだった。 10月24日夜に朝日新聞による初報が出て以来、是枝裕和監督が映画祭の舞台挨拶で「あるまじき判断」と声をあげ、若松プロダクションが出品2作品のボイコットを決めるなど、批判の声が高まったが、主催者代表の中山周治氏らは上映中止の判断を変えようとはしなかった。 潮目
あいちトリエンナーレのあり方検証委員会、表現の自由に関する国内フォーラムを開催あいちトリエンナーレ2019のために設置された「あいちトリエンナーレのあり方検証委員会」は、9月21日に愛知芸術文化センターで初となる公開フォーラムを開催する。 あいちトリエンナーレ2019の一企画である「表現の不自由展・その後」が展示中止された件を受け設置された「あいちトリエンナーレのあり方検証委員会」。この検証委員会が主催する初めての公開フォーラムが、9月21日に愛知芸術文化センターで開催される。 テーマは、「『表現の不自由展・その後』について考える」。同検証委員会委員をはじめ、出展作家、芸術監督・津田大介らが出席し、「表現の不自由展・その後」の開催意図や展示内容の説明、検証委員会による作業内容報告、出展作家と参加者の意見交換などが行われるという。 同検証委員会は11月末までの期限付き委員会。国立国際美術館館
8月1日に開幕した国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展の一つとして、メイン会場の愛知芸術文化センターで開催されていた「表現の不自由展・その後」の展示が3日いっぱいをもって中止された。 この企画展の趣旨は上記のページで以下のように説明されていた。 「表現の不自由展」は、日本における「言論と表現の自由」が脅かされているのではないかという強い危機意識から、組織的検閲や忖度によって表現の機会を奪われてしまった作品を集め、2015年に開催された展覧会。「慰安婦」問題、天皇と戦争、植民地支配、憲法9条、政権批判など、近年公共の文化施設で「タブー」とされがちなテーマの作品が、当時いかにして「排除」されたのか、実際に展示不許可になった理由とともに展示した。今回は、「表現の不自由展」で扱った作品の「その後」に加え、2015年以降、新たに公立美術館などで展示不許可になった作品を、同様に不許可にな
こちらを読んで。 headlines.yahoo.co.jp 校則によく現れる謎の文言に「〜らしい」とか「〜にふさわしい」というものがある。僕が通っていた公立中学校の生徒手帳にも、「中学生にふさわしい服装」とか「中学生にふさわしい髪型」といった表現が頻出していて、中学生の時は大いに反感を覚えた。この手の玉虫色の表現を使えば、反抗的な生徒をいかようにでも指導することができる。こういう校則を一方的に押し付けてくる教師は、とんでもなくズルい存在だと当時は思った。 その頃からもう約二十年ぐらいが経過したことになるが、いま思い返しても、やはりこの手の校則はアホらしいと思う。冒頭に挙げた記事を読んで、真っ先に湧き上がってきたのは「まだやってたのか」という呆れと、現役の中学生や高校生に対する同情だ。それと同時に、僕は生徒だけでなく、教師に対しても同情した。中学生だった頃の僕は教師一人ひとりが本気でこの手
■「ダウンロード違法化の拡大」がもたらすもの 文化庁は1月25日に「海賊版ダウンロードの違法範囲をネット上の全てのコンテンツに拡げる」とした意見の最終取りまとめを行った。審議会に参加していた有識者の多くから異論や慎重論が出されたにもかかわらず、国会への著作権法改正案の提出を優先させた形だ。 これまでもすでに音楽や映画については海賊版と知りながらダウンロードを行った場合は違法だった。それがあらゆるネット上の静止画=写真・マンガ・イラスト・雑誌・論文・アイコン画像などに範囲が拡大される可能性が高まっている。さらに、文化庁は、罰則(懲役2年以下・200万円以下)も設けたい考えだ。 「海賊版だと知ってのダウンロードだからやむを得ないのでは?」と思う読者もいるかも知れない。しかし、この違法化は強い「副作用」を生むことが懸念されている。竹宮恵子氏が会長を務める日本マンガ学会が1月23日に発表した反対声
2017年11月弊社刊『エロマンガ表現史』(稀見理都・著)が、2018年3月16日、北海道青少年健全育成条例の規定により、「有害図書類」に指定されました。指定の理由は、「著しく粗暴性を助長し、性的感情を刺激し、又は道義心を傷つけるもの等であって、青少年の健全な育成を害するおそれがあると認められるため」とのことでした。 本件についてはこれまで、メディアからの個々の取材に対して弊社の公式見解をお伝えしてきましたが、その後の事態の経過もふまえ、以下にあらためて声明として記します。 『エロマンガ表現史』の企画意図は「漫画における身体の記号的表現の進化史研究」にあり、文字どおり人間の身体を視覚的技術のもとに描写する“エロマンガ”は、そのために外せないどころか最も重要な領域だと当社は考えています。その認識のもと、同書では起源のひとつとしての春画を含め、多数のエロマンガ作品の図版を引用の範囲で掲載してい
日本維新の会足立康史衆議院議員が、5月31日の衆議院外務委員会で、「共産党と協力関係にある民進党も、公安の調査対象にして欲しい。」旨の発言をしました。私は、これは決して看過されてはならないものだと思います。 言うまでもありませんが、私は共産党を含む野党共闘で県知事選をたたかい、当選しました。氏の論理に従えば、私もいつ氏から、国会で「公安の調査対象としてくれ。」と言われるかもしれません。それどころか、様々な理由で赤旗を購読しているだけで(私は情報収集のために赤旗を購読している自民党の議員の方や経営者の方を、複数知っています。)、いつ氏から国会で「公安の調査対象にして下さい。」とあげつらわれるか分からないということになります。 勿論、私は公安の調査対象となったからどうという事は全くありませんし、それ以前の問題として、良識ある政府与党が、この様な馬鹿げたご注進を採用するとも思いません。しかし、国
File Not Found. 該当ページが見つかりません。URLをご確認下さい。 お知らせ 事件・事故のジャンルを除き、過去6年分の主な記事は、インターネットの会員制データベース・サービスの「京都新聞データベース plus 日経テレコン」(http://telecom.nikkei.co.jp/public/guide/kyoto/)もしくは「日経テレコン」(本社・東京 http://telecom.nikkei.co.jp/)、「ジー・サーチ」(本社・東京、 http://www.gsh.co.jp)のいずれでも見ることができます。また、登録したジャンルの記事を毎日、ネット経由で会員に届ける会員制データベース・サービス「スカラコミュニケーションズ」(本社・東京、http://scala-com.jp/brain/) も利用できます。閲読はともに有料です。 購読申し込みは下記のページから
ファザーリングジャパンは3月18日、 長時間労働をテーマとした緊急フォーラムを開催。政府が設置した産業競争力会議の民間議員として、「日本再興戦略」に長時間労働の是正を盛り込んだ、ワーク・ライフバランス社の小室淑恵社長が「働き方改革」の現状と展望について語った。 長時間労働の是正に政府がかじを切った理由 私は2014年9月、政府が設置した産業競争力会議のメンバーとなりました。しかし大変残念ながら、11月までの間は長時間労働是正についての発言をしようとすると、全力でとめられました。長時間労働の是正については、官邸内で結論が出ていないのでもう少しトーンを抑えるようにと。 しかし12月以降、政府の方が長時間労働への意識を急に高めてきています。象徴的なのは、2015年6月30日に出された「日本再興戦略」(今後5年間の経済成長戦略について方針を定めたもの)の内容です。内容をつめる打ち合わせを重ねるごと
インターネットでは、面識のない個人や、違う場の空気をもつコミュニティが人やグループの行動・言動に緩やかに、時に匿名で一方的に干渉できるので、職場や学校などといったリアルの世界と比べ「批判」が醸成されやすいのは我々の経験がよく知るところです。「インターネットはその匿名性ゆえに無責任な批判が跋扈する、なのでけしからん」といった議論はfacebookの実名制が普及した今でもよく目にしますが、その背後にはそもそも批判そのものが「けしからん」から、ないしは少なくとも原則するべきものではない(それゆえするなら何らかの責任を伴う)から、という前提が垣間見えます。もし批判が一般に歓迎されるべきものなのであれば、批判が集まりやすいインターネットはその意味で社会にとって有益だ、ということになりそうです。 少し前に、僧侶の松山大耕さんがTEDで日本人の宗教観を説いて話題になりました。曰く、日本人の宗教観は"be
米国コミック弁護基金(CBLDF)事務局長のチャールズ・ブラウンスタイン氏の意見書「なぜ過激なマンガを禁止することは児童保護へとつながらないのか」の邦訳を掲載します。 この意見書は、国連人権理事会 児童ポルノ問題特別報告者のマオド・ド・ブーア=ブキッキオ氏による「過激なマンガの禁止」の提言に対する反論意見として、2015年12月16日にCBLDFの公式ブログに掲載されたものです。 原文: Why Banning Extreme Manga Fails To Protect Children ブラウンスタイン事務局長からは、「日本の皆様が、この意見書に興味を持って下さったことに、感謝を申し上げます。日本語訳の公開を、大変光栄に思います」とのコメントが寄せられています。 2015年12月16日 チャールズ・ブラウンスタイン (米国コミック弁護基金 事務局長) 漫画は犯罪ではない 最近のマスコミ
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