真宗大谷派(本山・東本願寺、京都市下京区)が所有する寺院跡(旧了徳寺、上京区)で、長期入院する子どもに付き添う家族向けの滞在施設「ドナルド・マクドナルド・ハウス京都(京都ハウス)」が新設されると1月中旬に発表された。だが、この境内地は鴨川沿いの好立地ながらも、さまざまなトラブルを抱えて活用が進まず、近年は「市内最大級の廃屋」とも呼ばれた。お寺の関係者は因縁をどう受け止め、乗り越えようとしたのか。関係者の一人である元京都弁護士会会長の浅岡美恵さん(76)が「長く、大変な歴史でした」と振り返る、40年近くに及ぶ曲折とは。 了徳寺の流転は、住職の河邊賢立(けんりゅう)さんが亡くなった1977年に始まる。同寺が属した真宗大谷派は当時、