2011年に出版された『中国化する日本』(文藝春秋)が一躍話題となった愛知県立大学日本文化学部歴史文化学科の與那覇潤氏。日本史上の「西洋化」を「中国化」という言葉で捉え直し、新たな視点を与えてくれた。その與那覇氏が歴史学をはじめ、哲学や心理学、社会学などを一覧する「文系学問オードブル」のスタイルで日本文化を考える講義をまとめたのが『日本人はなぜ存在するか』(集英社インターナショナル)だ。今回、與那覇氏に「教養」「歴史を学ぶ面白さ」、そして本書のメインモチーフである「再帰性」について話を聞いた。 ――本書のもとになったのは、2009年から大学で担当されている「日本の歴史・文化」という講義だそうですが、なぜこのような授業を行っているのでしょうか? 與那覇潤氏(以下與那覇氏):勤務先である愛知県立大学には、いわゆる人文系の学部だけでなく、看護学部や理系の情報科学部もあります。そのすべての学部生が
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