先天性心疾患・停留精巣 原発事故影響？１割増（『中日新聞』2019/03/15）

名市大、全国調査 関連は不明 名古屋市立大大学院システム自然科学研究科などのグループは、２０１１年３月の福島第一原発事故後に生まれつき手術する必要がある複雑な先天性心疾患と、睾丸の位置に異常がある「停留精巣」の発症率が、いずれも全国で１割余り増えたとの研究成果を明らかにした。原発事故との関連は証明されていない。研究論文は米科学誌などに掲載された。 グループによると、１９８６年のチェルノブイリ原発事故後、近隣諸国で先天性心疾患の増加が報告されているが、福島の事故に絡んだ全国的な健康調査は進んでいない。 グループは、日本胸部外科学会が全国の病院から集めている先天性心疾患の手術データに着目、事故前の「０７～１０年」と、事故があった年とその後の「１１～１４年」の１歳未満の乳児への手術件数を比較すると、肺動脈閉鎖など２９種類ある複雑な先天性心疾患の手術件数が、１４．２％増加していた。０７年で手術した