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県立大学の無償化について - 内田樹の研究室
数年前から、近畿圏のある県の知事から時々呼ばれて、提言を求められている。このところは哲学者の鷲田... 数年前から、近畿圏のある県の知事から時々呼ばれて、提言を求められている。このところは哲学者の鷲田清一先生とご一緒である。地方自治のトップが私たちの浮世離れした話を聴いてくださるのである。ありがたいことである。 鷲田先生と私が地方自治体の長に呼ばれて意見を徴されたというのは、もう10年以上前、当時大阪市長だった平松邦夫さんに呼ばれて以来である。鷲田先生はその頃阪大総長だったと思う。その時は宗教学者・僧侶の釈徹宗相愛大学教授もご一緒だった。三人で市長を囲んで、教育について思うことを自由に話した。よい時代であった。それから絶えて政府からも地方自治体からも「ご意見拝聴」というような機会はなかったのだが、数年前からある県知事からときどきお声がけ頂くようになった。 鷲田先生はこの集まりで前回から県立大学の無償化を提言している。掬すべき見解だと思う。学費も寮費もゼロ。奨学金も出す。規模の小さな大学だから