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太宰治に搦む中也by檀一雄 - 中原中也インナープラネット
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太宰治に搦む中也by檀一雄 - 中原中也インナープラネット
中也の歩行は、 たいていの場合、酒場で終着し、 たいていの場合、一騒ぎありました。 中原中也と交流の... 中也の歩行は、 たいていの場合、酒場で終着し、 たいていの場合、一騒ぎありました。 中原中也と交流のあった 多くの文学者、創作家がその一騒ぎについて書いています。 檀一雄の「小説 太宰治」から引用します。 ――――寒い日だった。中原中也と草野心平氏が、私の家にやって来て、ちょうど、居合わせた太宰と、四人で連れ立って、「おかめ」に出掛けていった。初めのうちは、太宰と中原は、いかにも睦まじ気に話し合っていたが、酔が廻るにつれて、例の凄絶な、中原の搦みになり、 「はい」「そうは思わない」などと、太宰はしきりに中原の鋭鋒を、さけていた。しかし、中原を尊敬していただけに、いつのまにかその声は例の、甘くたるんだような響きになる。 「あい。そうかしら?」そんなふうに聞こえてくる。 「何だ、おめえは。青鯖が空に浮かんだような顔をしやがって。全体、おめえは何の花が好きだい?」 太宰は閉口して、泣き出しそうな