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情熱の画家ゴッホの壮絶な人生『たゆたえども沈まず』原田マハ
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情熱の画家ゴッホの壮絶な人生『たゆたえども沈まず』原田マハ
その男は、絵画の中からこちらを見つめている。彼の名を、フィンセント・ファン・ゴッホといった。 痩せ... その男は、絵画の中からこちらを見つめている。彼の名を、フィンセント・ファン・ゴッホといった。 痩せているが、印象は悪くない。赤い髭を生やした、壮年の男である。感情の見えない瞳は、静けさを湛えていた。 しかし、その背景はなんとも奇怪である。ぐねぐねと渦を巻き、波打つ。服と同化するような絵の具の色彩が、彼の不安定な心を表しているかのようだった。 その隣に並ぶ、同じ男を描いた絵。しかし、それは、随分と様変わりしている。 耳を覆い隠すように、白い布を巻いていた。耳を切り落としたのだという。彼の表情は老け込み、まるで老人のように見えるほどだった。 私が初めてゴッホの作品と出会ったのは、美術の教科書だった。並んで載せられた『自画像』に、私の視線が惹きつけられる。 同じページに載っている他の作品と比べると、とりわけ優れた作品だという印象は受けなかった。むしろ、歪んだ線、荒々しい色遣いは、写実を好む私の目