社説：ECBの遺憾な心変わり 危機国の中小企業支援は得策なのに・・・

（2013年6月1日付 英フィナンシャル・タイムズ紙） ドイツ・フランクフルトのECB本部〔AFPBB News〕 フランクフルトの中央銀行幹部は、ユーロ圏の信用収縮を和らげる方法について考えを改めた。 欧州中央銀行（ECB）は今春初め、危機に見舞われた国々の中小企業を直接ターゲットにする仕組みを思案していた。ところが今週、大規模な介入は一切行わないことにした。 この心変わりは遺憾だ。通貨同盟の一部で金融政策の伝達メカニズムが壊れていることは、しばらく前からはっきりしていた。フランクフルトで操作される超低金利がイタリアやスペインのような国の企業に届かないのだ。 信用収縮は何千社もの中小企業を廃業に追い込み、地元の雇用に悲惨な影響を与えている。ユーロ圏では中小企業が雇用の約75％を創出しているからだ。 銀行の自己資本増強では不十分かつ遅すぎる ECBは今、信用収縮に対処する最善策は、ユーロ圏

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