世界文学としての夏目漱石～メンターと警察国家 | ゼロフリクションBPのブログ

メンターとしての先生 夏目漱石作品について、goodreadsというサイト、そして読書メーターを通じて、かなりの数の感想を読んだ。素人の感想ではあるが、そこには意外な発見が確かにあった。 例えば『こころ』に関する英語での感想の中に、ごく自然に「メンター」という表現が複数現れる。日本語による論文では先生と「私」の関係性に関していつからか「ホモソーシャル」と表現されることが多くなった。「メンター」という自然な表現は、「ホモソーシャル」という表現の曖昧さに対しての問題提起として検討の余地があろう。 日本の国語教育では先生と「私」の関係性を曖昧にしたまま『こころ』を学生に与え続けた。読書メーターから得られた情報では、早ければ中学二年、遅くとも高校二年の夏には「先生の遺書」のみを読ませ、感想文を書かせ、「Kが自殺した理由」を討議させるなどしているようだ。当然ながら「先生の遺書」のみを読んで、先生と「

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世界文学としての夏目漱石～メンターと警察国家