『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝：がんどう返し』

東本京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日本最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう！ 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… この小説はフィクションです ⑰ 「「がんどう返し」 ２６ 菊井製薬の社長菊井伸介は、野心家で知られている。 本人も充分認識しているだけに、 日本の製薬会社の先頭を走る三井製薬を、 呑み込む目論見もくろみが頭に渦巻いていた。 そこに美喜からの情報が舞い込んだ、株の名手の出現である。 今なら、財産相続や自分の手持ちの株を合わせれば、 投資するだけの金に不自由は無い。 最悪は屋敷を担保にすれば、資金の調達はできる。 心斎橋で待ち合わせた伸介は、 美喜が希望するネックレスを買い与え、 ＜飲んだくれ＞の暖簾おれんを潜くぐった。 「初めまして、菊井製薬の菊井伸介だす」 名刺を差し出し挨拶した。 美喜から情

[higashimoto28]

腹の底で笑った……