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この時期になると思い出すこと
ずっと好きだった人がいた。 青春の、一番甘酸っぱい頃の話。もう十年以上も昔のことだ。 私の好きな人... ずっと好きだった人がいた。 青春の、一番甘酸っぱい頃の話。もう十年以上も昔のことだ。 私の好きな人は「せんせい」だった。それも若くもなければ渋くもない、どこにでもいそうなオジサンだった。それでもあの頃は好きで好きで仕方がなかった。別に同級生の多くと同じように「お付き合い」をしてそういう仲になりたい訳じゃなかった。そもそも「そういう仲」という考え自体があの頃の私にはなかった。毎日のように「せんせい」の授業を受けて、廊下で少し姿を見られたらそれでよかったのだ。一言でも話せた日は嬉しくて仕方がなかったし、これらのことを何となく目標にして毎日を過ごしていた。「せんせい」を見つめながら過ごす毎日は、とてもきらきらしていた。 このように書くと、年頃の女の子の年上男性への淡い片思いあるいは憧れとして、すてきな思い出にでもなりそうなものである。 ところで、その頃の私は家庭がやや複雑な状況になっていたために
2014/01/30 リンク