僕は知らない寺山修司ＮＯ．１１⇒『ドキュメンタリー家出』 - 飾釦

『ドキュメンタリー家出』（河出文庫） 寺山修司は昨日の投稿のように“家を出ろ”とアジっています。それは見方を変えれば“自立せよ”と言っていたように思えます。家出という響き自体、とても挑発的で当時の若者達を大いに刺戟したようですが、さらに驚くべきは『ドキュメンタリー家出』なる本まで出していたことです。 この本は寺山修司とその劇団・天井桟敷によって編集され、内容はまるでテレビのバラエティー番組のような構成となっています。家出者の手記、家出についての討論、シンポジュウム、家出者へのインタビュー、あげくは地方から東京着のシンボル的な駅・上野周辺の食事処や宿泊施設、家出後の占う運勢判断などまで掲載し した家出ガイドブックのような相を呈しています。今読むと笑える要素もあるのですが「そこまでやるか」みたいな印象を受け、寺山修司の徹底ぶりには本当にびっくりさせられます。今この時代にこんな凄いアーティストが