新型コロナウイルスに関する情報は、厚生労働省の情報発信サイトを参考にしてください。情報を見る
エントリーの編集
エントリーの編集は全ユーザーに共通の機能です。
必ずガイドラインを一読の上ご利用ください。
元には戻らぬ世界 芸術がみせる、現実の生ぐささ 作家・小野正嗣〈朝日新聞文芸時評20年4月〉|好書好日
記事へのコメント0件
- 注目コメント
- 新着コメント
このエントリーにコメントしてみましょう。
注目コメント算出アルゴリズムの一部にLINEヤフー株式会社の「建設的コメント順位付けモデルAPI」を使用しています
- バナー広告なし
- ミュート機能あり
- ダークモード搭載
関連記事
元には戻らぬ世界 芸術がみせる、現実の生ぐささ 作家・小野正嗣〈朝日新聞文芸時評20年4月〉|好書好日
浅野友理子 くちあけ 気づけば、これまで生きてきたのとはちがう世界の中にいるようだ。 堀田善衛の『... 浅野友理子 くちあけ 気づけば、これまで生きてきたのとはちがう世界の中にいるようだ。 堀田善衛の『方丈記私記』(ちくま文庫)はこういう時に読む本かもしれない。1918年生まれの堀田は、20代後半で東京大空襲を経験する。その「生命の危険」、「物心両面の一大不自由」のさなか、堀田が読み耽(ふけ)ったのが、鴨長明の方丈記である。東京の焼け野原に、長明が生きた乱世が、大火や地震や飢饉(ききん)や戦乱で荒廃した京の都が重ね合わされる。 そうした特殊な状況下での自らの読解を四半世紀後に回想しつつ、堀田の思考は芸術と現実との関係へ伸びていく。長明と同時代の新古今和歌集がすぐそばの悲惨な現実世界を遮断した芸術であることに驚く堀田はむしろ、貴賤(きせん)を問わず人間の等身大の生にまなざしを注ぐ長明の「生ぐささ」に強く惹(ひ)きつけられる。 英仏語が堪能でスペインにも暮らした堀田が深い関心を寄せたのが、フラン