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いいお話では物足りない…『ポツンと一軒家』からいつの間にか「失われたもの」――青木るえか「テレビ健康診断」 | 文春オンライン
『ポツンと一軒家』をはじめて見た時は衝撃を受けた。すごい番組だと思った。人も通わぬ山奥になぜか人... 『ポツンと一軒家』をはじめて見た時は衝撃を受けた。すごい番組だと思った。人も通わぬ山奥になぜか人家があり、そいつを見つけるのが衛星写真で、衛星写真というのは航空写真とは明らかにちがって、どんな集落でも都市でも「生命が感じられない」。そんな「死の世界」のような写真にずいーっと寄っていく、という始まり方がまず秀逸で、何か不穏なものを暴きたててしまう予感がある。そして一軒家にはじいさんが一人暮らしをしている。そんなところに一人で住んでいる「理由」が、いちおう語られ、別に矛盾があるわけではないが、何かがしっくりこない。妻子は別に住んでたりして、それにも「通りいっぺんの理由」が語られ、日に焼けて不鮮明な家族写真が一枚ぺらっと映される。その後は家族の話題は出てこない。 ※写真はイメージ ©iStock.com 怖い。「家庭内に何かあった末のこの状況なのではないか」と、つい考えてしまう。悲惨な妄想を喚起
2020/10/27 リンク