歌うクジラ / 村上龍 - 誰が得するんだよこの書評

最近の村上龍は「カンブリア宮殿」で、強引に経営者の成功の秘訣をまとめたりしていて、成功の十分条件でないもののをあたかも統計的に有意な十分条件であるかのように喧伝する自己啓発書のような胡散臭さを帯びていて、正直ちゃんとした小説を書いているのか不安だったが、それは杞憂に終わった。本書は、高齢化による労働力不足で移民を受け入れたものの、絶対的な富の不足により内戦状態になり、社会を階層化して分断させることで無理やり治安を維持している100年後の日本を描いた小説であるが、冒頭の30ページ読んだだけで傑作だと予感させた。「五分後の世界」に近い。 いくつかの面白い設定がある。例えば、敬語の廃止だ。2050年ぐらいに起きた文化経済効率化運動という、共産中国の文化大革命ばりの運動があって、その一環で「意思の伝達を非効率にさせ、政治や経営の意思決定において有害」だとして、敬語の使用が禁止される。たしかに、仕事

[jingi469]

販売手法についての話題は目に入っても、肝心の内容について一度も気にしていなかった事に気付く。

[gurinekosan]

龍先生の小説は、初期を除いて、「学習のまとめ」っぽさが出過ぎていて、味わうというより感心するという感覚になる。脚本家でいうと橋田先生ポジション（個人の感想です）

[tennteke]

眉村卓「EXPO87」お勧め。産業士官という勢力が出てくる。そのスピンアウトで「産業士官候補生」というショートショートがある。

[masu0729]

読んでみたくなった。

[bell_chime_ring238]

iPad版読んだ。特定の出来事が起こると鳴る音楽があり、ページめくった途端ネタバレだったな／1行をリアルに感じさせるために100ページが必要なこともある、ってのは龍さんの至言だけど、それが体感できた作品。

[ueshin]

テレビの村上龍は信用なくしたね。だけど作品はと。

[Louis]

この本で自分は初めて村上龍のサイン会に参加しました。終始関係者と喋ってて参加者の顔もろくに見ない人でそんな人某ラノベ作家以来だったので印象に残ってます。