権威に固執し、地位と肩書に魅了されていないか 連載『ミンツバーグの組織論──7つの類型と力学、そしてその先へ』 第1回 | 組織文化/組織開発｜DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー

サマリー：私たちは、そろそろ組織を再検討すべき時期に来ている。どこかの組織を訪ねて、その組織のあり方をひと目で見て取れるものを見せてほしいと言ってみるといい。すると、あなたはいわゆる「組織図」を見せられる可能性... もっと見るが高い。しかし、上司の上にさらに上司を何段階も積み重ねた図が組織のすべてなのだろうか。本稿は『ミンツバーグの組織論──7つの類型と力学、そしてその先へ』（ダイヤモンド社、2024年）の一部を抜粋し、紹介したものである。 閉じる プレーヤーと構成要素 ある大手ソフトウェア企業が何年か前に、これとよく似たイラストを広告で用いたことがある。その広告いわく、ここに描かれているものは一頭の牛とは呼べない。これは、言ってみれば牛の「組織図」だ。つまり、牛を構成する部位の寄せ集めでしかないのである。牛が元気に生きているならば、それぞれの部位はみずからが牛のひとつの部位であることを