宇佐見りん×遠野遥 「若手芥川賞作家」は、小説をどう読んでいるのか？ プロの「小説の読み方」（現代ビジネス編集部） @gendai_biz

『推し、燃ゆ』で芥川賞を受賞した宇佐見りんさん、『破局』で同賞を受賞した遠野遥さん。それぞれの芥川賞受賞第一作となる三作目『くるまの娘』（5月12日発売予定）、『教育』が大きな反響を呼んでいます。お互いの作品をどう読んだのか、作家としていま何を考えているのか、二人が語りました（本記事は2月12日にジュンク堂池袋で行われた対談イベントの一部を構成したものです）。 ぶっ飛んだ設定 ——宇佐見さんは『教育』を読んでどのような感想をお持ちになりましたか？ 宇佐見 とても面白く読みました。『教育』はディストピアものと謳われています。主人公は閉鎖的な学園で過ごしていますが、この学園では成績順でクラス替えが行われ、そのクラスに応じて生活する場所が相部屋になったり一人部屋になったり、様々な待遇が決定されます。 生徒たちの成績を決めるのが、超能力を用いたテストです。裏返されたカードの絵柄を当てる確率を上げて