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かいがいえい 海外詠【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
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かいがいえい 海外詠【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
旅人の木という影の涼しかり 対馬康子 一般に海外詠は難しいとされます。季節感が日本とは違いますか... 旅人の木という影の涼しかり 対馬康子 一般に海外詠は難しいとされます。季節感が日本とは違いますから季語の使い方が困難。かの加藤楸邨がシルクロード吟行で季語を見つけるのに苦労した、なんて逸話を聞くと余計に躊躇してしまいますよね。でも、挑戦してみたい。そんな時にそなえて、成功する秘訣を掲句から探ってみたいと思います。 まず旅人の木とは何でしょうか。響きに惹かれて調べてみると「マダガスカル原産のバナナに似た植物」だとわかりました。なんとマダガスカル!私は行ったことがありませんが、俳句に詠むには難しい土地柄でしょう。しかし掲句を一読して違和感がありません。旅人の木の写真をみると、バナナに似た葉が扇のように半円形に並んでいます。和名は扇芭蕉。一説によれば葉柄に雨水を溜めて、乾燥地帯をゆく旅人の喉を潤したことから名付けられたそうです。マダガスカル航空の尾翼に描かれるなど土地のシンボルとなっているのだ