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第五話 「女と泣き出しそうな空と豪徳寺」④ - 人生で迷っている人たちの短編集(まさりん) - カクヨム
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第五話 「女と泣き出しそうな空と豪徳寺」④ - 人生で迷っている人たちの短編集(まさりん) - カクヨム
箒(ほうき)を手にしていた。きつめのパーマをかけていた。寺男(てらおとこ)の嫁か、住職の嫁だろう... 箒(ほうき)を手にしていた。きつめのパーマをかけていた。寺男(てらおとこ)の嫁か、住職の嫁だろう。「またあんたかい! いい加減にしなよ」といきなり怒鳴りつけてきた。 はじめ僕たちも怒鳴られたかと思った。身が強ばった。シホはほっぺたが引きつっていた。だが、「また」と言われる筋合いがないのにすぐに気づいた。 怒鳴られた本人は急いで板の下にあった、数個のトランクだけを持って、走り出した。板はずり落ち、その拍子(ひょうし)に板の上から招き猫が砂利道に転がった。「縁起物なんだろ、いいのかよ」とどこ吹く風のノリスケが言った。その横でおばちゃんが仁王立ちしている。テキ屋は愛想笑いをして、頭を掻(か)きながら逃げようとする。 「ねえ、おじちゃん、アタシこれ持ってたら幸せになれるかな」とシホが聞く。 「なれるとも! それだけカワイイんだから」 去り際にそれだけ言った。おばちゃんは箒をまた振り上げて、敷地の外