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8-3 冬季攻勢 - 風雲島国取り戦記~戦況図と歴史地図で追う月が静止した世界の偽史(真名千) - カクヨム
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8-3 冬季攻勢 - 風雲島国取り戦記~戦況図と歴史地図で追う月が静止した世界の偽史(真名千) - カクヨム
マクィン軍に攻囲された都市オシナまで半日の位置まで進出したユートロ総督はまず狼煙を上げさせた。オ... マクィン軍に攻囲された都市オシナまで半日の位置まで進出したユートロ総督はまず狼煙を上げさせた。オシナから返答の狼煙が返ってくるのを観察しながら、残りの半日は偵察にあてる。 「これが本物の狼煙なんだな」 煙を二本立てたり、布で遮ってシグナルを送るのをみて、文武が感慨深く言った。ハティエ防衛のときに使った見せかけの狼煙を思い出している。 「それよりも包囲の陣地を見なよ。すごいことになってる……」 真琴が注意を促した。オシナはすっかりマクィンの陣地に取り囲まれていた。一つ一つの砦が塹壕と土塁で結び付けられて、空を飛ばなければ出ることのできない状態だ。しかも、塹壕と土塁は二重になっていて、外からオシナを救出する軍隊にも備えていた。 このまま放っておけば飢餓による陥落は確実だろう。会戦が一時的に引き分けた隙に運び込んだ物資が十分なことを祈るしかない。同時に援軍も入り込んだから余計に物資を消耗している