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福田恆存の「政治と文学」その2 - KAZUO NAKAJIMA 間奏
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福田恆存の「政治と文学」その2 - KAZUO NAKAJIMA 間奏
福田恆存は、「一匹と九十九匹と」や「人間の名において」(いずれも一九四七年)によって、主に中野重... 福田恆存は、「一匹と九十九匹と」や「人間の名において」(いずれも一九四七年)によって、主に中野重治と荒正人、平野謙との間で繰り広げられた、いわゆる戦後「政治と文学」論争にコミットした。 特に「一匹と九十九匹と」は高名だが、福田はそこで、ルカ伝の「なんじらのうちたれか百匹の羊をもたんに、もしその一匹を失わば、九十九匹を野におき、往きて失わせたるものを見いだすまではたずねざらんや」という有名な一節を、「このことばこそ政治と文学との差異をおそらく人類最初に感取した精神のそれである」と捉えた。 革命を意図する政治はそのかぎりにおいて正しい。また国民を戦争にかりやる政治も、ときにそのかぎりにおいて正しい。しかし善き政治であれ悪しき政治であれ、それが政治である以上、そこにはかならず失せたる一匹が残存する。文学者たるものはおのれ自身のうちにこの一匹の失意と疑惑と苦痛と迷いとを体感していなければならない。