社説：組長に賠償責任 判決生かし資金源断て | 毎日新聞

指定暴力団極東会の実質的なトップである元会長ら３人に対し、東京地裁が約２億円の支払いを命じる判決が先月末に出た。 聴覚障害のある極東会系の暴力団組員に現金を脅し取られたとして、全国２７人の聴覚障害者らが訴えていた裁判だ。 ２００８年施行の改正暴力団対策法は、指定暴力団組員が資金集めに当たって威力を用いたことを示せばトップの責任を問えるとした。その規定が初めて適用された。暴力団にダメージを与える判決だ。暴力団の活動を封じ込める武器として、今後も改正暴対法を生かしていきたい。 判決は、組員が自分が暴力団員だと紹介された雑誌を見せたり、下部団体の組長を同席させ紹介したりした上で、現金を被害者に求めた行為を、暴力団の威力を背景にした資金獲得行為だと認定した。その上で、使用者責任を認めた。 「使用者責任」の規定は民法にもあり、暴力団トップの賠償責任が認められた例はある。ただし、組員への指揮監督状況や