特集ワイド：「友だち幻想」１０年を経て再注目 スマホ時代の処方箋 人間関係を考える教材に | 毎日新聞

１０年前に刊行された本のメッセージは今も色あせていないのだろう。宮城教育大教授だった菅野仁さんが著した「友だち幻想」（ちくまプリマー新書）が今年に入って再び脚光を浴び、既に累計で３０万部を突破した。「人と人の＜つながり＞を考える」をサブタイトルにしたこの本は、世代を超えた共感を得ている。なぜなのだろうか。【庄司哲也】 女子学生が描かれた挿絵に１０年という時の流れを感じる。手にしているのは、ガラケーと呼ばれる携帯電話だ。さらにコミュニケーションツールは発展し、今はスマートフォン（スマホ）を使えば、どこにいても、世界中の誰とでも簡単に「つながれる」。ソーシャル・ネットワーキング・サービス（ＳＮＳ）で、友人を増やすことは簡単に思える。