手作りバラックに肩寄せ合う貧困層 コロナで失業890万人、劣悪な衛生環境…サンパウロに新ファベーラ | 毎日新聞

新型コロナウイルスの流行が深刻なブラジルの最大都市サンパウロで、新たなスラム街（ファベーラ）ができた。不況のあおりを受け、住まいを失った貧困層2000人以上が集まり、バラックの集落を築いたのだ。新型コロナの感染拡大は止まらず、経済危機からの回復も見通せないため、今後もファベーラの住人は増えるとみられる。 8月18日、サンパウロ北部ジャルジン・ジュリエッタ地区の一角で、槌（つち）音が響いた。新たに住み着いた住民が自らバラックを建てていた。感染がじわりと広がった3月下旬、新型コロナ対策の経済活動・外出規制が始まると、失業した人々らは公有地を不法に占有する形で集住を開始。今では木材やビニールシートで建てた小さなバラック約800棟が並ぶ。 住民のプリシーラ・トマスさん（35）は「屋根代わりのシートは穴だらけで、雨漏りがする。こんな生活がいつまで続くのか」とため息をつく。夫（38）は経済活動規制が始