火論：ローンウルフの予告グセ＝大治朋子 | 毎日新聞

児童ら21人が死亡した銃乱射事件の現場となった小学校の周囲を警備する警察官ら。奥の校舎裏口から容疑者の男は侵入した＝米南部テキサス州ユバルディで2022年5月30日午後4時33分、鈴木一生撮影 ＜ka－ron＞ 日本語の「単独犯」を英語ではローンウルフ（一匹オオカミ）などと言う。 最近でいえば、米ニューヨーク州のスーパーや米テキサス州の小学校で起きた銃乱射事件の実行犯がそれに当たる。いずれも18歳の男性で、事前に白人至上主義的な内容の声明文を用意したり、「小学校で銃を撃つ」などとネット交流サービス（SNS）に書き込んだりしていたという。 米インディアナ州立大のマーク・ハム教授（犯罪学）らの著書「ローンウルフ・テロリズムの時代」（2017年）によると、米国で1940～2016年に起きた単独犯によるテロのうち約75％は、実行犯がメディアやSNSに「予告」を寄せていた。