岩手で元酒蔵の再生プロジェクト進む 旧邸宅と共に再び酒造りを | 毎日新聞

「この邸宅を見守ってくれた紫波の皆さんに、活用することで恩返ししたい」と語る平井佑樹さん＝岩手県紫波町日詰の日詰平井邸で2023年3月4日午後1時5分、錦織祐一撮影 かつて繁盛した家業の酒蔵をいったんは手放したが、再び旧邸宅とともに酒造りをよみがえらせたい――。そんな再生プロジェクトが岩手県紫波町で進んでいる。この旧邸宅を活用して醸造所新設を計画している若き酒蔵の跡取りは「家とは人が集う場所。お酒の力でさまざまな人とモノをつなぐ場所として生かしたい」と願う。 同町の「日詰（ひづめ）平井邸」（同町日詰）は、醸造業を営んでいた平井家が1921（大正10）年に建てた。その新築祝いには、旧盛岡藩出身で平井家と親交があり、同年暗殺された「平民宰相」原敬（1856～1921年）も訪れた。伝統的な町家建築の中にガラス窓を多用した外観など近代的なデザインや技巧を凝らし、2016年には国の重要文化財に指定さ