社説：統一地方選の知事選 乏しかった自民の存在感 | 毎日新聞

9道府県の知事や6政令市の市長などを選ぶ統一地方選の前半戦の投票が行われた。浮き彫りになったのは、自民党の地方組織のほころびと、「改革」を唱える維新の会の勢いだった。 奈良では日本維新の会公認の新人が初当選した。自民系候補の分裂が有利に働いたとはいえ、維新は本拠地の大阪以外で初の公認知事を誕生させた。 5選を狙う官僚出身の現職に対し、自民県連会長の高市早苗経済安全保障担当相がかつて部下だった元総務官僚を擁立し、一本化できなかったことが響いた。 維新新人は官僚批判を展開した。「身を切る改革」で財源を生み出し、教育無償化を実現すると訴え、無党派層を取り込んだ。 知事と市長のダブル選挙となった大阪府市では、大阪維新の会がともに制した。 大阪市を廃止して特別区に再編する看板政策「大阪都構想」が頓挫し、明確な対立軸を欠く中での選挙戦だった。各党の地力が問われたが、府市が一体となり行財政改革に取り組む