ルポ路上売春：支える手／1 「困り事、少しでも」 夜の街に立つ女性案じ | 毎日新聞

体調を崩したという女性を連れ、薬を買いにニュクス薬局を訪れる坂本新さん。この時も午前1時を回っていた＝東京都新宿区歌舞伎町で2023年8月 梅雨の合間の週末、雨は久しぶりに上がっていた。 2023年6月、東京・歌舞伎町の大久保公園周辺には、日付が変わる頃になっても20人以上の女性が立っていた。その横で酒を手に談笑する4人の輪の中にリオ（仮名、20歳）がいた。時折、顔をしかめている。左手の甲が青く腫れ上がっていた。 何本かの缶チューハイで酔っても痛みが引かない。でも、リオは病院に行くつもりがなかった。というより、「自分は行けない」と思っていた。健康保険証がないからだ。 歌舞伎町には、路上の女性たちに手を差し伸べる人たちがいる。NPO法人「レスキュー・ハブ」の坂本新さん（52）もその一人だ。2年以上、週末に街の一角で相談室を開いてきた。