原発事故がなければ… 避難中に夫自死「13年本当に短かった」 | 毎日新聞

福島県浪江町から郡山市に避難している五十崎栄子さん。避難生活中に夫の喜一さんを亡くし、「13年っていうのは本当に短く感じるよ」と話した＝福島県郡山市で2024年3月11日午前9時42分、渡部直樹撮影 「これからも私たちは生きていかないといけない。見守っていてね」。東京電力福島第1原発事故で福島県浪江町から郡山市に避難している五十崎（いそざき）栄子さん（75）は、避難中に自殺した夫の喜一さん（当時67歳）の遺影に話しかけた。 同町で生まれ育った喜一さんは、震災前に会社を退職。釣りや家庭菜園、一緒に暮らす孫の野球応援を楽しみに暮らしていたが、その生活は突然奪われた。 町には避難指示が出され、喜一さんは持病の糖尿病の薬すら持ち出せずに県内の避難先を転々とした。体調は悪化し、気力も失われていった。栄子さんは孫の野球道具を取りに浪江町の自宅に一時帰宅した際、「またここで暮らしたいけど、無理だよね」と

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「自宅は屋根瓦一つ落ちなかった。原発事故がなければ、元のまま生活できたはずだった」