神への挑戦：「必要は発明の母」ではない 人類学者・長谷川眞理子さん | 毎日新聞

老いや病を避けたい、健康で長生きしたい、年を取っても子供がほしい――。古来、人が抱いてきた願望や欲望が、生命科学の進歩で実現に近づきつつある。それは果たして「ユートピア」なのか。人類学者の長谷川眞理子さんに聞いた。【聞き手・信田真由美】 同時公開の記事があります。 ◇作られる「何か」は生命なのか？ 「胚モデル」の研究が問う倫理 ※『神への挑戦 第2部』好評連載中。生命科学をテーマに、最先端研究に潜む倫理や社会の問題に迫ります。これまでの記事はこちら 次回：クローンが「死」を変える ――遺伝子を編集したり、細胞を若返らせたりする技術をどう思いますか。 ◆生物も遺伝子も、分かっている部分だけをいじくって全体として良い方に行くかどうかは分からないという問題が常にあります。 例えば、ある遺伝子が、ある病気の原因だったということが分かっても、その病気とは全然関係のない他の重要なことに関わっている可能