5歳の愛娘がドナーになるため臨んだ脳死判定 「苦しいことは承知の上」 それでも立ち会った父の覚悟/3 | 医療プレミア特集 | 倉岡 一樹 | 毎日新聞「医療プレミア」

「世界中の人のためになりたい！」。崇高な思いを持つ愛娘の立派な姿を目に焼き付けるべく、拓さんは法的脳死判定に立ち会った＝家族提供 インフルエンザ脳症を発症し、「脳死とされうる状態」となった5歳の三浦愛來（あいく）ちゃん（愛称、くーちゃん）。父の拓（ひらく）さん（46）＝西日本在住＝は、愛娘の脳死下での臓器提供を決断し、家族に切り出した。 その後、家族で臓器移植コーディネーターから説明を受けると、妻の彰子さん（43）らが動いている心臓を止めることに苦悩し、難色を示したため、拓さんはその決断を取り下げた。しかし、くーちゃんの死が避けられない状況であることを家族全員が悟ると、脳死下での臓器提供が家族一丸の思いとなった。 そして、法的脳死判定の日を迎えた。 ※連載「そして娘はドナーになった――くーちゃん、5歳 脳死下臓器提供の現実」の3回目です。【倉岡一樹】 「拷問とさえ思った」 1回目の法的脳死