blue 魚喃キリコ

田舎の女子高に通う、高校３年生の桐島カヤ子は同じクラスの遠藤雅美に憧れを抱いていた。 この二人の交流を中心に、高校生の悩みや不安や期待を描いた作者の初長編作。 ――――――――――――――――――― カヤ子の遠藤に対する恋の様な友情がこの年代特有の心理を描けていて、生々しいです。 誰かに対する憧れや嫉妬、高校生だからこその複雑な心境が痛切です。 これを実にクールに描いているのが作者の特徴ですね。 静かで淡々としたセリフやモノローグ。 そしてネームもそうですが、魚喃先生の画はとてもクールなんですね。 漫画だから白黒なのは当然ですが、よりそれを強く感じる画です。 シンプルな描線、背景を描き込まない余白をたっぷり使った表現。 密で刹那的な時間の中で、悩み喜び過ごす高校生。 生な時間を巧く切り取った作品です。 祥伝社から復刊されています。