創造的な仕事に活用も…大量データ学習の基盤モデルに期待が集まる理由 ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

大量のデータを学ばせた基盤モデルに期待が集まっている。煩雑なデータ整理の自動化のような地味な仕事以上に、研究仮説の生成や発見支援、複雑科学のモデル化などの創造的な仕事への活用が期待されている。材料分野では物質の構造や物性などを学んだ基盤モデルが開発される。モデルから知見や法則を引き出す研究手法になると期待される。 「２０２４年中には提供を始めたい」―。ＩＢＭリサーチの武田征士チームリーダーは材料科学向けの基盤モデル「ライゾーム」を開発している。化合物の分子構造をＳＥＬＦＩＥＳという方式で文字列に変換し、分光スペクトル（波形データ）や物性をセットで学習させて対応を学ばせた。すると分子構造からスペクトルと物性を予測したり、反対に欲しい物性から分子構造やスペクトルを予測したりできるようになった。高分子物性や発光特性、生物活性も予測でき、他の人工知能（ＡＩ）モデルよりも優れていた。国際団体「ＡＩア