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【短編小説】あの星をつかまえて|青波佑(Yu Aoba)
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【短編小説】あの星をつかまえて|青波佑(Yu Aoba)
八月の夜。田んぼに囲まれた祖母の家の庭には十数種類の花類と四メートルほどの細い木が一本立っており... 八月の夜。田んぼに囲まれた祖母の家の庭には十数種類の花類と四メートルほどの細い木が一本立っており、時折ミンミンゼミや鈴虫の音が庭いっぱいに響き渡っている。 ボクたち家族と親戚は祖母の家に集まっていた。 ついさっき玄関で塩を振りかけ、喪服を着替えたばかりだというのに、大人たちはゲラゲラ笑いながらテレビを観ているが、どこか無理して平静を取り繕っているようだ。 大人たちの感情もテレビの内容もボクにはまだ理解できないものばかりだ。 父も母も相手にしてくれない。いや、今はわがままを言うべきではないと、その神妙な雰囲気に、ひっそりとひとり遊びをはじめ、さも何も気づいていないかのように振る舞うことがせいぜいボクにできる精一杯のことだった。 やがてひとり遊びにも飽き飽きして、おもちゃをしまい、庭が見渡せる廊下までテクテク歩いていき、虫の音色に耳を澄ませていた。 普段はタモを振り回して、ジリジリと響く音を探