シャブ山シャブ子問題について｜中川千英子(脚本家)

先週放送のドラマ『相棒』内に薬物依存症者が登場する場面があり、その描写が差別的だったとして、「依存症問題の正しい報道を求めるネットワーク」が、放送をした局に対して抗議文を出したとのこと。 この件に関して、ネット上で、 「所詮フィクションの世界のことなのに、うるさすぎる」 「近ごろは何にでもクレームをつけたがる輩が増えて困ったものだ」 といった投稿をいくつか目にしました。 そして今、「矢も楯もたまらず」という気持ちでこの記事を書いています。 偶然なのですが、私は今、執筆中の作品のために依存症全般について学んでいるところです。 もちろん専門家ではありませんが、関連書籍を読み込み、依存症に関するシンポジウムに足を運んだりもしていますので、「依存症に少し詳しい人」と言っていいと思います。 では「少し詳しい人」である私が、この問題についてどう考えているかと言うと、「決して看過できない」と強く思ってい