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第2回◆『この世界の片隅に』と広島の「加害/被害」|リレーコラム 波の音をきく
植松 青児(編集者) 読み直して気づいた大事なこと 大ヒットした漫画/映画『この世界の片隅に』はアジ... 植松 青児(編集者) 読み直して気づいた大事なこと 大ヒットした漫画/映画『この世界の片隅に』はアジア太平洋戦争末期の広島・呉市を舞台に、ある一家の人びとを描いた作品だ。その序盤に、次のようなシーンがある。 広島市の南部、太田川河口にある集落・江波(えば)で海苔(ノリ)養殖を営んでいた主人公の父・浦野十郎が、呉から来た北條円太郎・周作親子に次のように語る。 「うちも海苔を作りよりましたが、三年前の埋め立てでやめましてのう/今はそこへ出来た工場に勤めよりますわ」(漫画『この世界の片隅に』上巻61頁、映画にも同じシーンあり) 同作品のアニメ映画が公開された2016年、原作漫画を読み直したとき、このシーンのところで手が止まった。やがて全身が震えだした。原作のこのシーンを初めて読んでから約10年、私はなんて大事なことを読み過ごしていたのだろう……。 この広島市江波という場所は、漫画『はだしのゲン』
2022/08/19 リンク